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何故アルミを使うのか?

何故アルミを使うのか?

こんにちはこんばんは
テンプラサイクルのゴウです。

 

最近プロレスラーが来店することで有名な「リベラ」さんへステーキを食べに行きました。
プロレスラーらしきお客さんはいなかったですが、猫ひろしさんが居たそうです。
(自分は確認しそびれました)

 

(名物の1ポンドステーキはジューシーで食べ応えがあるボリュームで美味しかったです)

 

 

最近は鉄やカーボンの話題ばかりブログに書いていたので、今回はアルミニウム(アルミ)の事を書いていきます。
アルミといえばアルミ缶やアルミホイルなど一般的な物ですが、自転車におけるアルミは一般的なものでもあり、マニアックなものでもあります。
先に断っておきますが、自分はアルミ狂信者ではありませんし、現在はアルミ製フレームの自転車は所有していません。
そんな自分が自転車におけるアルミ事情を書いてみたいと思います。

 

 

 

 

 

自転車のジャンル問わず、フレーム、ホイール、その他パーツに幅広く使われているアルミ。
鉄に比べ軽く、カーボンに比べ安価で加工が容易にできるため、様々な用途でアルミは重宝されています。
アルミと言っても、作る物によって加工方法も違い、アルミ自体に様々な添加物を追加して丈夫なアルミ合金にしており、種類も異なります。
自転車に使われるアルミ合金はA7000系、A6000系、A2000系などが代表的な種類で、フレームやパーツなどによって使い分けられています。

 

 

 

 

 テンプラサイクルで取り扱いのある、Salsa Cyclesの代表的なグラベルバイク「Journeyer(ジャーニヤー)」はA6061-T6という、耐久性があり加工しやすく自転車では最も多く使われている種類の汎用性に優れたアルミ合金で作られています。
最初のスポーツ自転車としてコスト的にも、性能面でもオススメできるモデルでグラベルライドだけでなくコミューター(通勤車)やサイクリング車としての用途もでき、雨でも錆びず気負わずガシガシ乗れる自転車。
Salsa Cyclesの現在のコンセプト「Adventure by Bike」を体現した一台です。

 

 

 

 

Kona Bikesのグラベルバイク「Rove AL」やクロスバイク「DEW」などもA6061アルミ合金で作られています。
同じグレードのアルミ合金を使うことでコストを抑え、重すぎず、ある程度丈夫な自転車を大量に作ることができます。
またアルミ合金製のフレームは半自動溶接、またはロボットによる完全自動溶接での製造も行われており、安定したクオリティーでフレームが作られています。

 

 

 

 

惜しくも廃番となってしまいましたが、Salsa Cyclesの自転車でもシングルスピードグラベルバイク「Stormchaser(ストームチェイサー)」はA6066-T6という、A6061より軽量で高強度で耐食性が優れたアルミ合金を使用しレースでも使用可能なスペックになっていました。
他のメーカーは決して手を出さなかった、シングルスピードグラベルレースというジャンルにいち早く参入したSalsa。
5年先を見越して製品開発をしているというSalsaですが、ストームチェイサーは10年ほど先を行っていたのかもしれません。

 

 

 

A6061、A6066アルミ合金とも品番の後ろにT6と付いていますが、これはT6熱処理をして強度を上げているということです。
 同じアルミ合金製のフレームでも、コストや用途によってアルミ合金の種類を使い分けており、テンプラサイクルでは取り扱いが無いですがロードバイクやシクロクロスなどのレース向けアルミフレームでは更に軽量のA7000系アルミ合金を使うことも。

アルミフレームと言っても実は多種多様な物があり、使う人の予算や用途、好みによって様々な物から選べます。
そして、フレーム以外のパーツにもアルミ合金が多く使われています。

 

 

 

例えば、アメリカのPaul Components社のブレーキやステムはA2024アルミ合金で作られており、強い強度と加工時の切削性に優れたA2024アルミ合金を使用することで耐久性や制動力などに優れた製品になっています。
どちらかと言うと、オフロード寄りの自転車部品を得意とするPaul Components社。
34年間アメリカ西海岸のMTB野郎たちに使っては壊されを繰り返し、ブラッシュアップされた製品に使われるアルミ合金は、強固でStay Wildで自由なモノづくりをするための材料選択だと思います。

 

 

 

 

同じアメリカのThomson社のステムやシートポストは超々ジュラルミンと呼ばれる、アルミ合金の中でも最強レベルの強度を持った7000系のアルミ合金から作られており、軽量さと強度を兼ね備えた高品質な自転車部品。
もともと航空宇宙用の精密加工部品製造を行い、高い精度と軽く丈夫な製品作りに誇りを持つThomson社ならではの材料選びだと思います。

 

 

 

 

アメリカのメーカーは、アルミ合金の塊を機械でゴリゴリ削り出して作られた物が多いですが、日本のシマノや日東、三ヶ島製作所などの自転車部品は、アルミ合金を溶かして金型に流し込んで成型する鋳造や、圧力を加えて成型する鍛造などの成型方法で作られるものが多いです。
上のデュラエースのリアメカは45年前の物ですが、デュラエースの名前は素材のジュラルミン(A2000系アルミ合金)とデュラビリティ(耐久性)に優れているというところから来ているそう。
現在でもシマノは部品のほとんどをアルミ合金で製造しており、得意の冷間鍛造技術によって高精度の部品の大量生産に成功しています。

 

 

 

 

日東や三ヶ島製作所も海外での需要もあり、アルミ合金の鍛造・鋳造による製造によって安定した品質の製品を供給しています。
国や会社の違いもありますが、自転車の部品を変える時にそのパーツに使われている材料まで掘り下げて調べると、メーカーのモノづくりの姿勢やルーツがわかったりするので面白いと思います。

 

 

 

 

 

 

「何故アルミを使うのか」


それはメーカーのものづくりの考え方や、製品を使う自転車乗りによって様々な理由があると思います。
故にいろいろな考え、いろいろな使い方に柔軟に対応できる金属であるからアルミ合金製の自転車や部品を使うとも言えます。
鉄(鋼)やカーボン、チタンだけではカバーできない程、自転車の種類や使い方は拡大しましたが、それにはアルミという金属が重要な役割を果たしていたということで、今回のブログを〆たいと思います。

 

 

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