こんにちは。
「楽しくなければ意味がない」というのがテンプラサイクルが推している自転車メーカーSalsa Cyclesのモットーですが、自分は
「快適でなければ楽しくない」
というのが自分のモットーの1つです。
テンプラサイクルのゴウです。
せっかく気に入っている自転車に乗っても、快適でなければ充実感より疲労感が上回ってしまい楽しくなくなってしまいます。ロードバイクでもグラベルバイクでもMTBでも、自転車の快適性はライドの充実度を決める重要な要素。
自転車の快適性を決めるパーツはフレーム以外ではタイヤが多くを占めると自分は信じているのですが、今回は自分が数年間買い続けて使っているあるタイヤの紹介です。
文章多めなのでご了承ください。
Rene Herse Cycles(旧Compass Cycles) のクリンチャータイヤ
アメリカのワシントン州シアトルにある自転車部品メーカーで、
フレンチランドヌール界の伝説の自転車ビルダー、ルネ・エルス(Rene Herse)氏から由来のあるメーカーです。
Rene Herse Cycles主宰のJan Heine氏は、2002年に「Bicycle Quarterly」という自転車雑誌の発行を始め、フレンチランドヌールを軸に100年以上もの自転車の歴史と現在のアドヴェンチャーライドを繋ぐ貴重な読み物として世界中で情熱あるサイクリストから支持を得ています。
Jan Heine氏は2010年に昔のランドナーなどに使われていた自転車部品を現代に継承するべく、部品メーカー「Compass Cycles」を作り、往年のRene HerseやMafac などの自転車部品を形そのままに現代に蘇らせました。
2018年に[Rene Herse]のライセンスを正式に譲渡され、Compass CyclesからRene Herse Cyclesと社名を変更しました。
Compass Cycles初期からラインナップにあるクリンチャータイヤは現在も日本のパナレーサー社が製造し、過去にあったランドナー用の26×1.25"や650B×38といった規格から現在よく使われる700×28cや650B×48など幅広いサイズを揃えています。
タイヤサイズの多さもさることながら、Rene Herse Cyclesのタイヤの最大の特徴は
「高級チューブラータイヤのケーシング」を使用していること。
価格が安いチューブラータイヤは別ですが、レースなどで使われる高級チューブラータイヤには細くてしなやかなで軽量な素材を使用したケーシング(タイヤの土台)が使われます。
タイヤの性能はゴムのコンパウンドやトレッドパターンなどもありますが、タイヤケーシングがその性能を決めると言っても過言ではありません。
硬く太いケーシングを使ったタイヤは路面からの振動をダイレクトに拾い、推進力を落とすばかりか身体にかかる負担も大きくなります。当然タイヤの重量も重くなります。
細くしなやかなケーシングのタイヤは路面からの振動をタイヤ全体でいなし、身体にかかる負担を減らします。
重量も軽く、路面に合わせてタイヤの接地面が変形するのでスリックタイヤでもグリップも良いのです。
Rene Herseの「Snoqualmie Pass 700×44c Extralight」 実測値
現在ではチューブレスも使われ始めていますが、ロードバイクやシクロクロスのレースではチューブラータイヤが使われています。
シクロクロスでは泥や砂のコースでは空気圧を2気圧以下まで落としグリップ力を得るためにチューブラータイヤを使い、ロードバイクでは軽量さと快適性、グリップ力など勝負どころで重要になる性能はチューブラータイヤが優れています。
ただ一般的なサイクリングやツーリングではチューブラータイヤは、パンクした際の修理が難しかったり予備のタイヤを持ち運ぶ手間もあります。
その手間を減らし可能な限りチューブラータイヤの性能に近づけた“クリンチャータイヤ”がRene Herse Cyclesのタイヤ。
タイヤのモデル名は北米に実在する峠や難所から取られており、実際にその峠を走ってテストされたモデルも多いです。
個人的にはロードバイクなら150km~200km以上のロングライドや、ちょっとした未舗装路を含むライド、獲得標高が2000~3000m以上のライドでその軽さと快適性が役に立ちます。
グラベルライドやアドベンチャーライドでは舗装路よりさらにRene Herse Cyclesのタイヤ性能を体感しやすいです。
以前、長野県の川上牧丘林道で他のメーカーのタイヤを履いた自転車と比べたところ、圧倒的に手や腰に伝わってくる振動が少なく、スリックパターンのタイヤなのにブロックタイヤよりグリップするという意味がわからない結果になりました。
割と雑に踏んでガレ場に突っ込んでもパンクしなかったのは感動しました。
今まで何台かの自転車で、700×28c, 700×32c, 700×44c, 700×55c, 650×48Bのサイズを使い、サイズが太くなるごとにタイヤの恩恵を体感できました。
Rene Herse Cyclesのタイヤを使うなら、オススメは自転車に入る限界まで太いサイズをオススメします。
一見すると地味で、見た目もクラシックな感じで高性能を感じさせない(失礼)見た目のタイヤですが、自転車に装着して乗ると明らかに他のタイヤとの差を感じます。
そして、それは自転車に乗り込むごとにより体感できます。
高額なので導入に勇気のいるタイヤですが、ロングライドやツーリング、アドベンチャーライドなど乗車時間が長いライドやハードな未舗装のライドにオススメ。
最近では北米のグラベルレースでRene Herse Cyclesのタイヤを使った選手が勝利するなど、サイクリングだけでなくレースシーンでも結果を出しています。
タイヤのケーシングも最もしなやかなExtralightから荒れたダートロード用のEnduranceなどライダーが走る環境によって幅広いラインアップから選べます。
700×35c以上の幅のタイヤはチューブレスレディで、さらに快適性能を求めるライダーにオススメ。
(ただし取り付けるリムとの相性によっては外れることも)
初めて自転車をカスタムするなら、タイヤが見た目や性能差を体感しやすいのでオススメです。
他のメーカーのタイヤも取り扱いしていますので用途や費用に合わせてご提案致します。
タイヤについて書き続けるとテンプラサイクルのブログが全部タイヤについての記事になりそうなのでこの辺で〆。
テンプラサイクルではRene Herse Cyclesのタイヤは用途や自転車に合わせて取り寄せで承りしています。
気になる方は是非ご相談ください。