こんにちは
テンプラサイクルのゴウです。
「良い物を永く使う」という言葉が好きです。
古くから日本人のDNAに刻まれているであろうこの価値観。
世の中に良い物はたくさんあり、良くない物もたくさんあります。
何が自分に必要で、何が必要でないか考えないと大量消費の泥沼にハマることに。
自分もそういう時期がありました。
それから少し意識が変わったのは下の動画を見てからかもしれません。
今から8年前、アメリカの自転車部品メーカー「Chris King Precision Components」(以下クリスキング)の代表Chris King氏が来日し、日本の取り扱い自転車店で講演した模様の動画。
日本のクリスキングの代理店Sim Worksさんが製作したこの動画はChris King氏のものづくり哲学が記録されています。
もっと詳しくCKの歴史を知りたい方はSim Worksさんのブログにて。
「高品質で出来るだけ永く使える製品作り」をモットーに現在も最先端の規格から昔の規格のヘッドパーツまで幅広く製造を行うクリスキング。
自分がクリスキングのパーツに出会ったのは自転車屋でアルバイトを始めた15年ほど前で当時は今よりカラーバリエーションが豊富で、カラフルな部品だなと思ったのが第一印象。
ヘッドパーツの価格も現在よりは安かったですが、他メーカーと比べ1.5倍〜2倍くらいの価格で高価!と思ったのも事実です。
その後Independent Fabrication(以下IF)というUSハンドメイドバイクに出会い、海外の格好良いと思う自転車にはだいたいクリスキングの部品が付いていることが多く、単純に自分も同じ様に使ってみたいという気持ちからIFをオーダーして組み付ける部品を選ぶ際にはヘッドパーツ、BB、前後ハブ、と当時発売していたクリスキングの部品をできる限り盛り込んだのでした。
IFを組み上げて走った第一印象は正直「普通」だったのですが、何年もメンテナンスをしながら使い続けるとクリスキングの部品の回転性能、耐久性やメンテナンス性の良さに気が付き、手入れしながら長く物を使うことで生まれる物への執着や愛着があることもわかりました。
今では手持ちの自転車5台中4台がクリスキングのヘッドパーツが入っていて、うち2台はUSEDのクリスキングですが10年以上前の部品でもスムーズな回転で、今でも定期的にメンテナンスしていますが壊れる気配はありません。
20年前のMTBのライダーの間では「よくヘッドパーツを壊すならクリスキングのヘッドパーツを使え」と言われていた様で、実際に使ってみるとその耐久性はよく分かります。
上の動画でも語っていますがクリスキングの製造工場はゴミのリサイクルや省エネルギーなど環境負荷に気を遣っており、従業員の安全や健康にもかなり注力している企業。
自転車を使う以上、必ず地球のどこかの道を走るわけでその地球環境を自分らで汚していたり、健康に気をつけていないと自転車に楽しく乗れなくなるかもしれません。
「自分が楽しむ環境は自分で守る」、という事をChris King氏の哲学は教えてくれます。
動画の影響と2016年にグルメセンチュリーライド足助で来日したChris King氏に実際にお会いして、よりクリスキングへの想いが深まったのも事実。
真のジェントルマンを見た気がします。
自転車を楽しむための製品は星の数ほどありますが、自転車ライフを永く維持して楽しむための製品は数えられる程度しかありません。
何を使ってどう楽しむか、人によってそれは様々ですが地球は1つしかありませんし、自転車に乗れる環境が永遠に続くとは限りません。
「良い物を永く使う」という意識が必ずしも人類全員にとって徳かというと、そうでない場合もありますが、少なくとも現代の高速消費社会で消耗するより昔ながらのスローなやり方も損ではないはずです。
クリスキングの様な哲学がある自転車関連の企業は少ないですが、自分はそんな少数派を応援していきたいと思っています。