こんにちは
テンプラサイクルのゴウです。
自転車屋には大きく分けて2種類の人たちがいると思います。
1つは自転車を組み立てたりカスタムしたりするのが好きな人で、もう1つは自転車に乗ることが好きな人です。
とはいえ現実はそんなに極端に分かれている訳ではなく、
自転車を触るのも自転車に乗るのも好きという自転車屋さんも多いと思います。
自分はと言うと自転車を組立・カスタムするより、自転車に乗る方が好きで、割合でいうと8:2くらいで乗る方重視です。
実際ライドで自転車を使わないとフレームや部品の良さは解らないですし、自分の体力が限界スレスレになる時ほど、フレームやパーツの良し悪しがハッキリわかる気がします。
先日のブログで書いた白州バイクロアまでの自走ライドもBrother Cycles [KEPLER] の性能を確認するには充分なライドでした。
クロモリフレームのツーリングバイクは、ライド後半で脚が疲れた状態でも安定して進んでくれたのでとても頼りになりました。
(KEPLERは間違いなく良い自転車なのですが今回はお休み)
先日の休みもライドに出かけていたので、その模様をレポートしたいと思います。
今回のライドはロードバイクで行きます。
というのも、事前にルートを見た時にこれはロードバイクでないと無理だと確信したからです。
走行距離240Km、獲得標高4200mのかなりキツめのルート。
さらに一緒に走るメンバーもタフで強い方ばかり。
グラベルバイクでも東京〜名古屋の380kmくらいのライドをしたことはありますが、さすがにスピード感や途中の峠のアップダウンに耐えられないので迷わずロードバイクを選択。
(ロードバイクのセッティングなどは別のブログで紹介します)
早朝に集合して一路奥多摩方面へ。
東京都内のヒルクライマーたち御用達の「都民の森」方面に向かいます。
途中で左折して上野原方面に向かい甲武トンネル〜鶴峠のアップダウンをこなす。この辺りで既に1000mちょい登ってます。
奥多摩湖まで下り、奥奥多摩で有名?な今川峠〜柳沢峠とアップダウンが続きます。
日が昇って暑くなってきてから、もうずっとボディブローを食らってるようで、ガンガンHPを削られます。
ロードバイクはギアの段数が多いので、その時のよりょくや坂の斜度に合わせて変速を行いHPの消耗を抑えます。
それでも身体がオーバーヒートしそうなくらい暑くなってしまい、たまらず途中で行水。
2本のボトルで合計1.5リットルの水を柳沢峠を登り切るまでに消費しました。
併せてラムネ菓子でブドウ糖も補給。
夏場のライドは水分や補給が適当だと脚が攣ったり、ハンガーノックになったり、最悪脱水症状で動けなくなることも。
早めの補給で体調が崩れないように気をつけて走ります。
HPだけでなくMPまで減ると全滅の危険も。
柳沢峠から甲府方面に下り某牛丼チェーンで昼食後、御坂みち〜御坂峠へ。
今回のライドで1番ヤラれたのが御坂みちでした。
ずっとユルユル登り坂とガンガン照りつける太陽、横を通るトレーラーや自衛隊の車両の迫力に普段はガンガン踏んで行けそうな道も脚に力が入りません。
中盛り牛丼とカレーを食してもパフォーマンスが昼食前と変わらず、今年初の気温30度以上のライドで身体が順応していなかったのかもしれません。
なので写真が一枚もありません。これがリアル。
半ば朦朧としながら御坂峠の入り口に到着。
御坂峠は森の中のような道で涼しく、登り坂ですが気持ちよく登れました。
御坂峠の頂上に着く頃にはすっかり回復して、熱中症は回避できました。
御坂峠を越えるとそこは河口湖。
あいにくの曇天で富士山はほぼ見えません。
河口湖から山中湖へ幹線道路でサクッと移動して籠坂峠〜乙女峠。
どちらの峠も標高が高い位置にあるので涼しかったですが、200km近い距離を走ってきての登りはまた格別です。
踏み込む脚にも力が入りにくくなっていますが、軽いギアで無心で脚を回し続けているとピークに到着。
乙女峠からは箱根を経由して小田原まで一気に下りゴールとなりました。
パンクや落車はゼロでノートラブルのライドでしたが、最後に休憩のために立ち寄った小田原の海岸の階段で滑ったのが唯一のトラブルといったところでしょうか。
今回のライドはとてもハードなライドで、帰りの輪行では一瞬で寝落ちするほど追い込まれましたが、自転車の性能を実感するには充分の内容でした。
ロードバイクのスピード感、ギアのバリエーションの多さ、峠道での軽快さ、ちょい太タイヤ(700×32c)の安定感とクッション性による快適さ、など。
自転車のエンジンは乗る人間とよく言われますが、どんなにエンジンが良くてもシャーシやステアリング、ミッションなど他の部品も走る上で重要ですし、それらは自転車のフレームやコンポーネント、ホイールに置き換えることもできます。
どの自転車でどう走るのか。
そして誰と走るのか。
それを考えて実行して経験するのが自転車趣味の面白さだと思います。
ユルいライドもキツいライドもそれぞれ良さがあり、得られる経験もさまざまですが、追い込んだライドで得られるものはモノやコトの本質に迫るものがあると思っていて自分が大切にしている事でもあります。
便利で楽に出来ることも多い現代で、わざわざ自転車で苦しい思いをする必要はないのですが、手軽に出来ない経験だからこそ記憶に残ったり、今後に活かせることもあります。
最後に今回のライドに誘ってくれたMURAZ氏とFUKUMA氏に最大級の感謝を。
「さて、今度は自転車でどこに行こうか」