こんにちは。
べーやんです。
さえない天気が続いてますが、なんだかんだこのまま梅雨になってしますのでしょうか。
それでも自転車に乗りやすい気候なので今年も自転車の購入や組み立て、カスタム等のご相談も増えて来ました。
ここで先に言っておきます。
今回は話が長いです。
では改めてtempraで取扱している自転車のブランドを御紹介させて頂きたいと思います。
Salsa cycles.
tempraで推しNo.1がアメリカ発のバイクブランド『Salsa cycles(サルササイクルズ)』。
SurlyやAll-Cityといったブランドと親会社が同じのミネソタ州ブルーミントンを拠点にしているブランドです。
しかしsalsaの歴史は意外と長くて、salsaの創始者である「Ross Shafer(ロス・シェーファー)」はマウンテンバイク界に大きな影響を与えたひとりでもあります。
1970年代後半にマウンテンバイクが登場し始めた頃は今でいうビーチクルーザーをカスタムしたものなどが使用されてました。
下りはたのしめるが、登りの際にはクルーザーでは重く、ペダリングがうまく伝わらない。
元々ジュエリー製作の大学に通っていた彼は、同時に好きだったフレームの製作も行っていました。
1980年代前半、ロードバイク乗りでもあったロス氏は友人からマウンテンバイク乗りのカスタムフレーム(オーダーフレーム)の製作を依頼されます。
salsa cycles "MOTO SL" 1984年頃
ロードバイク同様、マウンテンバイクのフレームも細部まで設計されたものが必要だと気づいたのです。
ロス氏のカスタムフレームの評判があがり、重要が増えて来たこともあり、1985年に「セミカスタム」の製作を始めます。
こうしてsalsaが成長するにつれ、ロス氏はフレームの形状に新しいアプローチを行います。
当初のマウンテンバイクはロードバイク同様ホリゾンタル形状が主流でしたが、ロス氏は製作を重ねていくうちにトップチューブを少しスローピングさせることにより、フレームの剛性が増し、安定感が増し、ライダーの漕いだ力がより効率良くホイールに伝わるという設計を取り入れました。
またこのスローピング形状を採用することによって背の低い人でも乗れるということがあり、マウンテンバイクのマーケットがさらに広くなっていきます。
salsa cycles "Ala carte" 1991年頃
(少しスローピングしている)
またsalsaではステムやハンドルの製作にも力を入れていました。
滑車付きのステムもその一つです。
1988年には米国のタイムトライアルオリンピックチームのステムも手がけることになります。
まだまだありますが、これ以上は長くなりすぎるのでこの辺で。
ロス氏の「もの作り」の精神によってこういったようにあまり知られていませんが業界には大きな影響を与えたブランドな訳です。
1997年には現在の親会社である『QBP(Quality Bicycle Products)』に買収されますが、その際にロス氏はsalsaから離れます。
同時にこのとき10年salsaで経営の仕方や塗装、溶接技術を学んだ『Sean Walling(ショーン・ウォリング)』氏はロス氏と同時にsalsaを退職し、Blue Lugさんが取り扱っている『SOULCRAFT(ソウルクラフト)』を立ち上げるわけです。
ロス氏が創設時よりコンセプトとして掲げてきた『Ride and Smile』も含めた意思を引き継ぎsalsaはツーリングモデルやロードバイク、シクロクロス、MTB、ファットバイクなど数々のモデルを先駆けて来ました。
現在では当たり前となった「グラベルモデル」、グラベルバイクと呼ばれるモデルが出たのもここ2,3年の話、その前の「オールロード(現在もよばれてる)」も4年ほど前、これもsalsaでは早くから展開されており、ドロップハンドルの使用したマウンテンバイクジオメトリーのモデル「Fargo」は2009年には登場します。
salsa cycles "Fargo" 2009年
日本でも流行りを見せ、現在のバイクロアのレースの元となっている「シクロクロスモデル」も2010年には「Chili con crosso」を展開しています。
2011年にはsalsaのクロモリグラベルロードモデルの「VAYA」が登場、現在グラベルカーボンモデルの「Warbird」も2013年には登場します。
2011年頃からは『Ride and Smile』のコンセプトと同時に現在メインコンセプトの『Adventure by bike』へと移り変わっていきます。
元々マウンテンバイクからスタートしているsalsa(前身を含めるとロードバイクから)なので、"オフロード"とはずっと深い関係にあります。
一部かなりピンポイントなレース向けに作られているモデルもあります。
例えば"Stormchaser"というモデルは[MID SOUTH GRVEL]というレース向けに製作されました。
またモンスタークロスの"CUTTHROAT"は、4000km以上におよぶ、世界最高峰バイクパッキングレースの「TOUR DIVIDE」向けに製作されています。
コンセプトに沿ってこういったピンポイントなレース向け機材から、身近にアドベンチャーを楽しめるモデルの製作をベースに展開しています。
その意志は現在も変わりません。
salsaのクルーが日本に来日してtempraにも来てくれたとき、彼らは「現在のコンセプトでもある"Adventure by bike"のように、街中だろうがオフロードだろうが、どこでも自転車に乗って出かけるときはいつでもアドベンチャーなんだ。
初めてのアドベンチャー、慣れてきたアドベンチャー、少し退屈になってきたアドベンチャー、どのアドベンチャーでも体験をするときにはsalsaがあればその体験は貴重なものになるんだよ(大きくいうとバイク全体だよ)。
もちろんロス・シェーファーの掲げた"Ride and Smile"も新しいアプローチも忘れてないよ。」と話してくれました。
日本ではtempraでsalsaを扱いだしたときは一般的に「ちょっと高級なブランド」というイメージが強くて僕もそう思ってました。
当時はSurlyもAll-cityも完成車で15万円ほど、少しいいグレードで20数万円。
このときsalsaは通常ラインナップで25万円ほどでした。
(今ではどこも26万くらいですが…)
なのでtempraで僕が扱いたいと言った年は東京ではsalsaを扱っているのがtempraだけでした。(他はみんな一回扱いをやめてしまったみたい)
しかしこの2年後ほどにsalsa自体がもっと多くの人に自転車での貴重な体験をしてほしいということから、10万円台で購入できるエントリーバイクが登場し始めたのです。
そう、今まではあえてエントリーモデルを出していなかったのです。
今やsalsa のエントリーモデルその代表格が先月発表された"Jouneyer(ジャーニヤー)"
salsa cycles "Journeyer"
このJourneyerは昨年まで出ていた「Journeyman」の後継モデルとなっており、新しく設計が見直され、パーツ規格も現行のものとなっています。
このJourneymanも3年で現在のJourneyerへとモデルチェンジされました。
2019年には"Warbird"もジオメトリーと規格が見直されて現在のWarbirdへとモデルチェンジしています。
このようにあたらしいアプローチをかけるべく、惜しくもなくなってしまうモデルもあれば新しく出るモデルもあります。
しかしsalsaは本国での人気が衰えることがありません。
特別綺麗な溶接、特別軽いパイプを使用しているわけでもありません。
また特別早く走れるモデルを出すよりかは、千キロを超えるグラベルレースでも耐えれる耐久性、快適性、汎用性を考えられたモデルが多い為、とても実用的に乗られてる方が多いです。
現にsalsaのサポートライダーの方達はみんなプロレーサーというわけではなく、生活の一部として自転車を楽しんでいる方がほとんどなのです。
(salsa サポートライダーページ →こちら)
それもあってかカラーリングでこだわった車体に仕上げるというよりは、その人の使用用途にばっちり合った仕様へカスタムされる事もおおいです。
SNSで#salsacyclesというハッシュタグでも検索してみてください。
とても実用的に乗られている方の写真や、実用的にカスタムされた写真がいっぱいです。
正直僕らが見ても「なんでこのパーツをここに付けてるんだろう?」っていうことがよくあります。
これも乗り手にとっては重要で必要なカスタムがほとんどのことが多いです。
僕ら日本人は正直見た目も気にする方が多いです。
でも見た目を気にせず自分の乗り方に合ったカスタムが多いです。
そこもsalsaの「ギア」として見た時のいい部分なんだと思います。
オールラウンドという訳でもなく、使用用途に向けた各モデルが展開されています。
それに合わせて自分の使用用途に合ったモデルを選んでもらえると嬉しいです。
日本ではまだまだ認知度の低いブランドですが、salsaの歴史含めてこれからの展開も気にかけてもらえたらと思います。
気になるモデルなどありましたらお気軽にご相談下さい。
salsaをよろしくお願いします!!